木造住宅耐震基準
最大震度7を観測した能登半島地震の発生から半年以上が経ちました。復興がなかなか進まない状況ですが、過日日本建築学会北陸支部から耐震基準別による被害状況調査の暫定報告が公表されたので紹介させていただきます。
調査は特に被害の大きかった石川県輪島市・珠洲市・穴水町の約7千棟を対象に目視で行われ、このうちの分析を終えた約5,700棟についての結果が公表されました。旧耐震基準と呼ばれる1981年(昭和56年)以前に建てられたとみられる建物の数は全体の38%を占めていて、このうち全壊・半壊・一部損壊の被害を受けた建物は実に9割に上ります。1981年から耐震基準が強化された2000年(現行基準)に建てられたとみられる建物は2割強が全壊しています。しかし2000年以降に建てられた建物の被害は1割にも満たなかったようです。このように建築された年代によって受ける被害の大きさに差が出ています。旧耐震基準の住宅は倒壊などの危険性が高いため、耐震補強や建て替えを検討する必要があります。
1981年から2000年までの住宅は壁の配置バランスや柱の引き抜きに対する検討があまりなされていないため耐震的にはグレーゾーンとなっていて、地震による被害が大きくなる傾向があるようです。2000年以降の住宅では築年数が20年を超えてきているので建物点検やメンテナンスを行って建物の現状を理解しておくことが重要になります。山梨県では令和7年度末における住宅の耐震化率の目標を95%に設定して各種補助事業を行っています。地震はいつどのような状況で起こるかはわかりませんが、補助金などを活用して地震に備えてみてはいかがでしょうか。前回紹介させていただいた無料の耐震診断は旧耐震基準の木造住宅が対象になっていて、私はこれまでに240件ほどの耐震診断をさせていただいていますが、そのほとんどの住宅が基準値以下でした。耐震性能を知ることは地震に備える第一歩なので耐震診断受診を検討してください。弊社はおかげさまで2021年に創業100年を迎えました。これからも伝統と最新の技術で、【ずっとストレスのない家づくり】に邁進して参ります。耐震・断熱リフォーム・建て替え・2030年に標準化されるゼロエネルギー住宅『ZEH』・省エネ住宅の新築・エコリフォームなどのご相談に応じておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。