2023年10月コラム

木造住宅の耐震性能

私は最近日本国内で起きる地震の数が増えてきたように感じています。南海トラフ地震や首都直下型地震はマグニチュード7クラスが30年以内に70%の高確率で発生すると予測されているので心配になります。今回は地震に備えて住宅の耐震性能について解説いたします。

 住宅の耐震性能の目安として表示されるのが耐震等級という基準で、3つの等級が定められています。

【耐震等級1】は建築基準法で定められた最低限の耐震性能を有するもので、震度5程度の地震に対して建物の損傷防止に効果がある建物です。しかし、2016年に発生した熊本地震では震度7を2回記録し、耐震等級1以下の多くの住宅は(新築住宅を含む)1回目で大破(修復困難。しかし脱出はできるレベル)し、2回目で倒壊してしまいました。

【耐震等級2】は耐震等級1の1.25倍の耐震強度を有するもので、長期優良住宅や学校・病院などの公共施設の最低基準になっています。

【耐震等級3】は耐震等級1の1.5倍の耐震強度を有するもので耐震性能が最も高く、消防署や警察署などの多くが耐震等級3で建てられています。熊本地震では耐震等級3の住宅の倒壊は無く、80%以上の住宅が無被害でした。これはインフラの問題もありますが、地震直後でも自宅で生活ができるということです。

 さて皆様は耐震等級をどう考えますか?私が実務で耐震性能の話をすると、地震が来たら逃げ出せばいいとおっしゃる方がいます。耐震性能の低い住宅は震度7クラスの地震では5秒もしないうちに建物が倒壊するので、間違いなく圧死してします。また、建物が倒壊すると場合によっては火事が起きたり道路をふさいで救助活動に支障を来したりするかもしれません。そして下敷きになった人を救出するために多くの人が関わり復興が遅れることにもなります。住宅は実は社会インフラの一部なのです。住宅を考える上で重要なのは耐震性能だということを認識していただければと思います。

弊社はおかげさまで2021年に創業100年を迎えました。これからも伝統と最新の技術で、より快適で安心・安全な住まいづくりに邁進して参ります。耐震・断熱リフォーム・建て替え・2030年に標準化されるゼロエネルギー住宅ZEH・省エネ住宅の新築・エコリフォームなどのご相談に応じておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。