2023年8月コラム

住宅の気密性能

快適な住宅づくりの要件の一つに、住宅にどれほどの隙間があるかを示す気密性能(C値)が
あります。大手ハウスメーカーや地元工務店に限らず、これまで建てられてきた住宅のほと
んどは気密測定が行われていません。その理由の一つは気密性能が悪い住宅の気密試験をし
て悪い値を出しても意味がないからだと思います。しかし気密性能は建物の快適性に大きく
関わっています。例えば性能の良い暖かいダウンジャケットを着てもファスナーを閉めなか
ったりサイズが大きすぎて裾や袖口から冷たい風が中に入ったりすると暖かさを感じること
が出来なくなってしまいますね。新築住宅には24時間換気が義務づけられていますが、気密
性能が低いと隙間から空気が入ってしまうため計画したように空気が流れず、空気が淀んで
結露が発生してしまいます。C値が1.0を下回ってくると計画したとおりの換気が行えるよう
になってきます。C 値1.0とは床面積100㎡の住宅で家中の隙間を合わせると100平方センチ
メートル(10cm×10cm角)ということです。一般的に高気密住宅のC値は2以下とも言われてい
ますが、これでは隙間が多すぎると思います。気密は計算で出せるものではなく、現場で職
人さんがこつこつと隙間をふさいで行かなければなりません。言い換えると気密性能の良い
建物はこつこつとしっかり作られているという証になります。弊社では新築住宅全棟で気密
測定を行っていて、近年ではC値0.3前後を出せるようになってきました。こつこつの成果で
す。
 既存の住宅改修工事では気密性能を上げることは難しいと思います。ほとんどの既存住宅
は冬には床下から入った冷たい空気が間仕切り壁の中を通って天井裏などへ回って家中が冷
えてしまっています。そこで改修工事をする箇所で断熱の補強と間仕切り壁の気流止めをし
っかり行うと冷たい空気が循環しなくなるので室内の住環境を改善することが出来ます。空
気の流れをコントロールすることはとても重要な項目なので関心を持つようにして下さい。
弊社はおかげさまで2021年に創業100年を迎えました。これからも伝統と最新の技術で、
より快適で安心・安全な住まいづくりに邁進して参ります。耐震・断熱リフォーム・建て替え
・2030年に標準化されるゼロエネルギー住宅『ZEH』・省エネ住宅の新築・エコリフォームな
どのご相談に応じておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。