2019年5月コラム

2019年5月コラム

住宅の省エネ基準義務化が見送りされました

今年1月に国土交通省から「住宅改修等による居住者の健康への影響調査」について3回目の中間報告が出されたので紹介させていただきます。私も以前から気密・断熱性能の高い住宅は健康性の向上に寄与すると述べてきましたが、それを裏付ける報告となっています。
この報告は断熱改修前後における居住者の血圧や身体活動量など健康への影響を検証したもので、7つの得られつつある知見が確認されました。
●知見1.室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。(起床時の居間平均室温が冬18℃以上・夏26℃未満の住宅を室温安定群、冬18度未満・夏26度以上の住宅を室温不安定群と分類したところ、室温安定群の方が最高血圧、最低血圧ともに季節差が顕著に小さく、安定していた。)ここでは最高血圧の季節差は室温安定群が2.3mmHg差なのに対して室温不安定群では9.8mmHg差、最低血圧では前者は1.1mmHg差であるのに対して後者は5.4mmHg差と明らかに差が生じました。
●知見2.居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床付近の室温が低い住宅で有意に高い。ここでは居間のみを暖める暖房は好ましくなく、住宅全体を適切に暖房する必要が示唆され、居間が18℃、寝室が10℃の場合では起床時の最高血圧がさらに2mmHg高くなっています。そして床上1mの室温が1℃低下した場合よりも、床付近の室温が1℃低下した方が、血圧の影響が大きくなりました。
●知見3.断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が有意に低下。ここでは断熱改修後に起床時の最高血圧が3.5mmHg、最低血圧が1.5mmHg低下し、その一因として改修による室温上昇が指摘されています。厚生労働省は40~80歳代の国民の最高血圧を平均4mmHg低下させることで、脳卒中死亡数が年間約1万人、冠動脈疾患志望者数が年間5千人減少すると推計をしているので、断熱改修は非常に効果的であると考えられます。
今回紹介できなかった知見は次回紹介させていただきます。
 弊社では耐震リフォーム・建て替え・2030年に標準化されるゼロエネルギー住宅『ZEH』・省エネ住宅の新築・エコリフォームなど、安心で快適な住まいづくりのご相談に応じておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい